雪男総合病院番外編 (ページ1)

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一緒だから大丈夫ページ1

ー渡辺翔太ー

真剣な面持ちで俺たちはAちゃんのMRI画像を見る

長い長い治療を小さい体で頑張ってきてくれた。

そんなAちゃんの腫瘍は小さくなりつつある

これなら…

岩本「ね、オペ適応だと思う」

宮舘「うん、俺も」

目黒「これくらいなら大丈夫そうっすね」

深澤「オペ式とか、とりあえずどうするかだよな」

渡辺「鼻からのアプローチが1番だと思う」

医局ではそんな会話をする。

渡辺「とりあえずさ…俺と阿部で説明してくるわ」

沢山頑張ったAちゃんに、治るかも知れないという報告をする事にした。

ー病室ー

阿部と共に病室に向かう。

渡辺「Aちゃん？しんどいところない？」

A「…うん」

そう言うAちゃんの表情は暗く元気とは言えなかった。笑顔が見られなくなっていた。

阿部「んー？どこか痛い？しょっぴー先生も阿部ちゃんも辛い時は辛いって言って欲しいかな…」

そういうと、一粒涙を流して俺たちをじっと見てきた

A「…いっ…たら…チックンも…お尻のお薬も…痛いこと…いっぱい…。はやく…元気に…なりたい…。もうお薬…いやだあ…。お口もお腹も…いっぱい痛い…」

そこまで言えばボロボロボロボロと涙を流し始めた。

渡辺「ん、教えてくれてありがとう。そうだよな…チックンもお尻のお薬も、痛い検査も嫌だもんな…。先生気持ちわかってるから大丈夫」

阿部「きちんと、怖いこと伝えてくれてありがとう。落ち着いたらでいいから先生と阿部ちゃんのお話聞ける？」

点滴が繋がってる手で涙を拭いてコクッと小さく頷いた。

渡辺「ん。Aちゃんさ…沢山頑張ったじゃん。先生たちと一緒に…。でね？お熱あったり、ゲエってしたり…それでも頑張ってこれたからさ…なおるかもしれないの」

目を丸くして俺たちを見るAちゃん

渡辺「ただね？うーん、体が熱くなって頭のお写真が見えやすくなるお薬を使って検査したり、採血したり、腰椎穿刺…背中のチックンはしなきゃいけないの」

阿部「急にこんな事、怖いかもしれないけど…頑張れないかな？先生たちと一緒に」

一度止まった瞳からは再び涙が溢れ出す。

A「なおりたい…でも…こわいっ…」

渡辺「な、こわいよな…今までだってたくさん乗り越えてきたもんな。先生も阿部ちゃんも頑張れるパワーをさ？お届けするから一緒に頑張ってみない？」

分かりやすく、優しく、伝わるように何度も何度も説明を繰り返す。