恋慕-affection- (ページ43)

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本格的に泣き始めた私。

大介くんが近づいてくる気配がする。

「抱きしめてもいい？」

「…、」

「やだって言っても抱きしめるけど。」

控えめに、だけど力強く包み込んでくれた。

「両想いだったんだね。俺たち。」

「ん、」

「嬉しいって思ってくれてる？」

「…まだ、信じられない。」

「えー？ぎゅってしてんのにぃ？」

「だって、」

「あ、そだ。まだ言ってなかった。」

大介くんが体を離して私の顔からタオルを外す。

涙と鼻水でグズグズだから見られたくないのに、ジーッと視線を合わせてくる。

「俺の彼女になってくれませんか？」

つーっと頬に涙が伝った。

「…なにを迷ってるの？」

「わたし、本当にいいのかなって、思って。」

「両想いなんだから、いいでしょ。」

背中を押してくれた持田くん。

だけど彼の気持ちが痛いほどわかるが故に躊躇った。

でも、ここで幸せを選ばない方がきっと失礼になっちゃうよね。

「よろしくお願いします。」

「ん、よろしく。」

わしゃわしゃと頭を撫でてくれて、私の前にティッシュを差し出す。

「ほら、鼻かんで。」

「…もうやだ。」

「いーじゃんいーじゃん。かわいいって。」

「鼻水はかわいくない！」

「いやいや、Aちゃんから出る鼻水ならかわいいよ。」

「意味わかんないし、」

思いっきり鼻をかんだら、にゃはにゃは笑ってる。

そして、まだ出てるよって大介くんがティッシュで拭ってくれた。