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………Aちゃんしばらくうちにすませてあげよーとおもって????
「むぐっ…」
佐「うお!大丈夫?」
向「ほら牛乳飲み!」
うっかりパンを詰まらせた。
康二くんが慌てて渡してくれた牛乳を流し込む。
「っ、今なんて!?」
佐「んにゃ?だから、きみの住まいの確保をね…」
「なんで!?」
岩「…本人が一番戸惑ってるのはなに?」
佐「康二…緊急事態かも……」
向「そうみたいやな…」
私の様子を見て顔色を変えた2人。
佐「一個確認していい?
…Aちゃん昨日のこと覚えてる?」
さっくんのクリクリのおめめに見つめられてハッとする。
昨日、楽しくお酒を飲んだことは覚えてる。
でも…どうやってお開きになったのかは覚えてない。
それにひとつ思い出したのだ。
…「いいこと思いついちゃった」って子どもみたいに無邪気に笑った阿部ちゃんを。
ーーー…「Aちゃん、このままうちに住んじゃうっていうのはどう?」
私はそれに、なんて答えたっけ。
向「その感じやと覚えてなさそうやな…」
康二くんが苦笑いした。
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2人の説明によると、私からすっぽり抜け落ちていた記憶はこうだ。
阿部ちゃんのぶっ飛んだ提案に何故か「いいんじゃない?」と乗っかったさっくんと康二くん。「流石にそれは…」と断っていた私。その時まではかろうじて理性があったらしい。
向「ほんでさっくんと阿部ちゃんがシャワー行って俺が片付けしとったらAちゃんはよ缶開けな!って思っちゃったんやろな。残ってたお酒一気飲みしてもうて…」
佐「残すの嫌いだもんねー」
あの状態でそんなことしたら悪酔いするに決まってるのに。そこの判断力は酔っ払いには無かったようで。
佐「俺が戻った時には号泣するAちゃんを宥める康二の図が出来上がってたわけよ」
「私泣いたの…?」
全く身に覚えがないから怖い。
どうやらこの頭痛の原因は二日酔いだけじゃなかったらしい。
向「覚えてないなら非常に言いにくいねんけど…Aちゃん、彼氏に『別れよ』ってメッセージ送って返事も待たずに連絡先も履歴も写真も全部消してん…」
「えっ!」
嘘でしょ?
慌てて携帯の中身を見ると、康二くんの言う通り…彼に関するデータが丸ごと全て消え去っていた。
なにやってんだ私…
気まずそうなさっくんと康二くんと、置いてけぼりなひかるさんにただただ申し訳なくなった。
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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時