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さっくんは私がもし起きて来ても困らないように起きててくれようとしてたみたいで、それでソファーに居たんだと知った。
佐「結局寝ちゃったんだけどねー」
向「まあでもたまたまめめが帰って来とって良かったわ」
岩「え、目黒に会ったの?」
ひかるさんが目を丸くする。
「はい…お風呂に案内して下さって洗濯機の使い方も教えて貰いました」
岩「……」
向「珍しいよなあ。めめが世話焼いたるなんて。」
「え?」
何かを考え込むように黙っていたひかるさんが口を開く。
岩「…明日時間貰っても良いですか?」
「え…」
岩「入居希望者が居ること、オーナーに伝えておくんで。」
「えっ、いや、悪いです。泊めて貰っただけでも気を遣わせたりご迷惑をおかけしたのに…その上住まわせて貰うなんて…」
それに、阿部さんが言ってた"ラウ"さんのことがずっと気になっていた。
ーーー…「照が心配してるのはラウ?」
ーーー…「ちょっと住人といざこざがあって…」
私の存在が、元々住んでいる方たちの暮らしの妨げになるのは嫌だから。
「…家も引っ越しもなんとかするので大丈夫です。
お気遣いありがとうございます。
2人も…酷いとこ見せちゃったみたいでごめんね?」
佐「でも、」
「ほんとに…大丈夫だから。」
さっくんの言葉を遮るようにそう続けた。
その後は、心配の眼差しを向けられているのは感じてたけど…私の頑なな態度に諦めたのか、誰も何も言ってくることはなかった。
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「じゃあ…お邪魔しました」
向「またいつでも遊びにおいでな〜」
『Ensoleillé』の表札の前でブンブン手を振ってお見送りしてくれた康二くんは朝から元気いっぱい。
佐「…行こっか?」
「うん。お願いします」
車のキーを軽く持ち上げたさっくんと駐車場まで並んで歩く。
シェアハウスから歩いてすぐのところに専用の駐車場があって車を所持している住人はみんなここに停めているらしい。
「ごめんね?せっかくのお休みなのに昨日からずっと振り回して…」
佐「にゃ?ぜーんぜん?気にすんなって〜
いー天気だしドライブでもする?」
土曜日の昼下がり。
ぽかぽか暖かい春の陽気にも負けないさっくんのあったかさが胸に沁みる。
「…この勢いで荷物の整理しちゃおっかな!
彼に別れるって伝えられたみたいだしさ。
…覚えてないけど」
「身辺整理的な?」と笑ったのに、さっくんは笑い返してくれなくて。ただ信号を見ていた。
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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時