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岩「うちのルールで、例えばさっきみたいにじゃんけんで何かを決めることもあれば多数決で決めることもあって。多数決で決まったことに文句は言わないことになってる」
「なるほど…」
岩「今回のAさんの入居は、過半数が賛成だったの。
だからAさんがうちに住みたいって言うなら、俺らは歓迎するよ」
「えっ」
過半数が反対の間違いではなく?
予想外の言葉を当然すぐには飲み込めなかった。
過半数が賛成…ということは1人でも反対する人が居るということで。それならほんとは遠慮するべきだと思う。
だけどそんな悠長なことも言ってられないのが現状。
ホテル住まいに切り崩すお金も馬鹿にならない。
キャリーケースに最低限の荷物を詰めたとはいえ、まだあの家にも私の荷物は残っている。
この間まで着ていたお気に入りの冬物の洋服とか、初めてのボーナスで奮発して買った電子ピアノとか、お気に入りのドレッサーとか。
近いうちに整理しに行くといった内容の置き手紙はしてきたものの、元恋人の私物がいつまでも置いてあるなんて迷惑だろうし、お互い不自由だ。
岩「Aさんの意思を聞かせて貰ってもいい?」
黙っていた私にふんわり笑ってそう言った岩本さん。
「正直…めちゃめちゃ有難いです。
…よろしくお願いします。」
躊躇いが無いかと聞かれたら、反対派の人に対する申し訳無さはもちろんあるんだけど…生きていく上で必要な衣食住の住が無いのは流石に厳しい。
阿「なら決まりだね。」
引き返すなら今のうちだと、痛む良心が訴えていたけど、有無を言わさない阿部ちゃんの笑顔に負けた。…ということにさせて欲しい。
阿「ようこそ、Ensoleilléへ。」
あたたかいこのお家に帰って来れるこの人たちがずっとずっと羨ましかった。
「…あの、ひとつだけ聞いてもいいですか?」
岩「なんでもどうぞ」
「ひかるさん…初めは私のこと凄く警戒してたと思うんです。なのにどうしてオーナーさんに掛け合ってくれたんですか?」
ずっと不思議だった。
さっくんに聞いても、はぐらかされちゃったし。
ひかるさんは「あー…」ってなんだか言いにくそうにしていたけど、ワケを教えてくれた。
岩「今までの住人とか来客とか、大抵の人はね?下心が見え見えだったんだよね。」
「え?」
岩「今は男しか居ないけど、昔はそうじゃなかったんだよ。この家。」
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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時