SN黄�� ページ12
sideあべ
今日は93年会。メンバーはオレ、ひかる、舘様そしてAちゃん。
場所はAちゃん紹介の個室居酒屋。ここを教えてくれたのはお兄さん……つまり二階堂くんらしくて、兄妹で常連とのこと。
「康二とここに来たとき、偶然会ったんだよね。Aさんと。」
「そうなんですよー。焼酎飲んでたから臭ってたよね？」
「まあ焼酎だからね、仕方ないよ。」
えなに、舘様、この会とは別のプライベートのAちゃんに会ったことあるの？友達と一緒にいるところとかめっちゃレアじゃん。
ちらっとひかるの顔を見てみれば、ちょっとムスッとした表情。……これは嫉妬かな？そりゃそうだよね、だって……。
「ひかるわかりやすいよ？オレと阿部は知ってるからいいけどさ。」
「舘さんが言うからじゃん。」
「舘様の前だとかわいいねぇ。……Aちゃんもよしよししちゃって。」
そう、この二人……ひかるとAちゃん、付き合ってる。
正直、何考えてるんだって思ったよ、オレ。メンバーとマネージャーってお互いの立場的に一番だめじゃないって思ってたから。
しかもお互いプロ意識高いなって思ってたから、知ったときはひかるに対して一番キレてたと思う。もちろんAちゃんにも。
けれど、そのすぐ後。
「私、事務所辞めます。こっそり転職先探してたんですけど、見つかったんです。」
「メンバーには絶対迷惑かけないから。」
これもこれでちょっとモヤっとしたのは確かだ。SnowManほっぽり出してひかるのために仕事辞められるんだって。でもそれはすぐに打ち消された。
だって二人とも真剣で、泣きそうだった。その場にいた舘様も何か言いたげだったけどグッと言葉を飲み込んでいるように見えた。
その後、メンバーにはけじめとして公表するって言ってたけど、オレと舘様で止めた。
受け止めきれないメンバーが出てもおかしくない、そこからほころびがでるかもと。あとから知った時……そう考えたけど、今この時期に知るよりは。
「なんか眠……。」
「寝てていいよ。」
「じゃあ寝ます……。」
あ、Aちゃん寝ちゃった。ひかるの膝枕で。あはは、ひかるの顔めっちゃ優しい。オレまでニコニコしちゃう。
「オレも寝ていいかな？」
「舘様も甘えちゃうじゃん。じゃオレもいい？」
「だめ。今日はA専用。」
つい舘様と顔見合わせて笑っちゃったよね。
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
