SN黄�� ページ13
sideにかいどう
……いったいオレは何を見せられているんだろう。
「あ、にぃにお帰り。」
「お邪魔してます。」
「おう。ゆっくりどうぞ。」
家に帰り着きリビングに入れば、ソファでAを抱え込むような体勢でテレビを見ているひかる。なかなか堂々とくっついている。
以前はビクついてたけれど最近はそんなこともなく。今だって挨拶してすぐにまたテレビ見ちゃってるしね。オレもいつまでもビクつかれるほうがイヤだから全然いい。
「明日はオレがひかる借りるから今日はほどほどにな。」
「……すぐ寝るよ。明日仕事だし。」
Aが転職してもうどれくらい経ったか。事務所の仕事を辞めるきっかけになったのはひかるだけど、正直オレはホッとしたんだよね。
どう考えても激務だったから、あの仕事。だからきっかけを作ってくれたことには感謝してる。……Aを取られたことはまあまあ悔しかったけど。
ちなみにオレが明日ひかるを借りるというのは、キャンプに一緒に行くからで。ひかるはオレの家に前泊する形を取っている。
「ひかる、温かいから眠くなる……。」
「寝たら運ぶから寝ちゃって。」
「ありがとー。」
先ほどの言葉のとおり、Aは早々に眠気に誘われ、そして眠ってしまった。ひかるにムニムニとほっぺたを触られているけれど起きる気配もなく。
それなら、とひかるはAを抱きかえて部屋へと連れて行く。本当軽々と持ち上げるよね。
「おやすみなさい。」
「おーおやすみー。」
特殊な仕事の関係上、結婚はまだ先。
Aが前から結婚はしてもしなくてものスタンスだったからここまでなんの問題もなくきてるけど、なぜかオレの方がモヤモヤしてるんだよね。
この仕事がどんな仕事なのか十分分かっているし、妹が気にしてないのもわかっているけどさ。まだ時間足りないのかな……。
「あー時間もっと早く過ぎろぉー。」
そう言いながらシャワー浴びるための着替えを取りにオレも自室に引っ込む。漫画みたいに○年後ってなってたら嬉しいけど、現実にはありえないからなー。
とはいえ、書類上での結びつきはなくてももう立派に家族。……Aのこと、ずっと守ってくれよ？
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
