SN黄�� ページ14
sideいわもと
オレの腕の中で寝息を立て始めたA。二階堂くん……義兄さんに一声かけてAを寝室に運ぶ。何度も寝顔は見てきたけど、今でも自然と口角が上がる。
明日Aは仕事だし、オレと義兄さんも朝早いから寝かせたらオレも寝転ぶつもりだ。
「しょっと……。」
「んー……ひかー……。」
「おお、寝惚けてんのか。」
ベッドに寝かせて腕を引き抜こうとしたら、オレの首に手を回されて。鍛えてるからそのまま倒れ込む……なんてことはないが、ここは大人しく捕まってあげよう。
ただオレも寝たいんでね。おでこの髪を少しずらし、そのまま唇を落とす。
「……ひかる？」
「あ、起きちゃった？」
それで気付いてしまったらしく、Aのまぶたがゆっくりと開いて。まだ腕を回されてるから大人しくその様子をじっと見つめると。
「上から圧があるんだよ？」
「捕まえたのはそっちだけどね。」
「……ほんとだ。」
自分の腕が回っていたことに気づいていなかったらしいA、すぐに腕を自分のお腹の上へ。かわいいなぁ。
それを見計らって、オレも動いてAの横へ。
「よいしょっと。」
「ひかる、苦しい。」
「抱きまくらないと寝れないの。」
「もっと緩くしろぉー。」
「はいはい。」
このあたたかさ、やわらかさがないと寝付くまでに時間がかかるようになったんだよね。オレん家や二階堂家以外の一人で寝るしかないときはだいぶ寂しい。
それで前ふっかに抱きついてみたんだけど、なんか違うんだよな。ふっかはなんか照れてて面白かったけど。
その後他のメンバーにもやってみたけど結果は一緒。ただ抱きつき魔って言われただけで終わったな。
「おやすみ。」
「おやすみ。」
おたがい身体をポンポンと叩いてまぶたを閉じる。全身で感じるあたたかさに、すぐに眠気は訪れた。
……二人ともアラームかけ忘れて、義兄さんに叩き起こされたのは内緒だ。
こんな何気ない日常が今あるのもAのおかげ。これからもよろしくな？
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
