にかちゃんだよ〜とは言えない【番外編】 (ページ15)

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ファインダーの向こう―SN橙① ページ15

sideむかい

▼本編④らぶくら？後くらいの時間軸

Luv ClassicのLip sync video(発音めっちゃ大事)撮ってた日にオレもcamera(これも発音大事よ)でメンバーのことガンガン撮影してて。

そいで今日はそのときにフィルムカメラで撮った写真を現像することにしてん。今はデータとしてもらえるようになったから便利になったんよ。

ほんで現像が済んで家に帰ってからは、フィルムカメラのデータと一緒にいわゆるデジカメで撮った写真のデータもPCに取り込んで。

2つ合わせたらなかなかの枚数やな。

「あ、これ。」

1枚ずつ順番に見ていけば、あの日オレ以外のあの二人が撮っていたエリアにぶちあたる。

照兄が撮ったAさん。

オレが人物を撮るとしたら、それこそメンバーだったり他グループの人だったり。とにかく普段表舞台に立つ人しか撮らんようにしていた。

だから今までAさんのことは撮ったことがなかったんよ。

それを照兄がサラッとやってのけてる。ただ人物を撮ってみたくて、その場にいたのがAさんだったってだけかもしれへんけど。

照兄がレンズ越しにこんな自然体のAさんを見ていたんやって思うと、なんかモヤモヤする。

しかも撮った写真ほしいって言ってたもんな。

それがどういう意味で欲しいなのか無駄に気になるし。ほんま何も考えずに「はい」って写真あげれたらいいんやけどね。……気になるんよ。

しばらくAさんの写真を1枚ずつじーっと見ていたら、今度は照兄エリアに突入。これを撮ったんはAさん。

めっっっちゃいい笑顔で写ってる照兄。何枚か後には少しプンスコしてる雰囲気の1枚もあって。これはこれで需要めっちゃあるわな。

「とりあえずデータで送ろ。……そうやな、これと……これは加工しよ。」

照兄、そしてAさんにあげる写真を決めてスマホに転送する。その中の一部はちょっとフレームつけてプリントしよかな。

スマホに入った写真をもう一回見る。

……ああ。やっぱなんかこう、つっかえるものがあるんよな。

「……なんでこんなにかわいいんやろ。」

Aさん本人の前では絶対に言えへんその言葉。思わずポロっと溢れる。こんなん言ってしまったら自分を律せる自信がなくなるからな。

転送したデータを二人に送ったあと、「オレ何やってるんやろな」って天を見上げた。