SN橙�� ページ16
sideみやだて
とある居酒屋。この日はオレからしてみたら少し珍しい面々での飲み会だ。
「やっと……！みっちーと酒飲めるんやなって！」
「え、こーじくんまだ飲んでないですよね？」
「うん。通常営業だよ。」
「なんか懐かしーや。」
康二とみっちー。康二に関しては珍しくもなんともないんだけど、みっちー……なにわ男子の道枝くんはまあオレからしてみたら珍しいわけで。
康二は久しぶりにみっちーとご飯、そしてついに一緒に飲めるということですでに感極まっている。
「ほんなら飲みましょか！かんぱーい！」
「かんぱーい。」
「Party Time……」
「だてー！しれっと何言うとんねん！」
とか突っ込んでる割にはごくごく飲んじゃってるじゃん、康二。みっちーは控えめに飲んでグラスをテーブルに置く。……やっぱりかわいいね。
「本当照兄うらやましいっ！」
1時間後。今日の康二はお酒に弱い日だったようだ。オレに比べたら(というのは酷だけど)全然飲んでいないけれど、顔や耳はほのかに赤い。
それはみっちーも同じなんだけど、康二に関しては普段は話さないであろうことをポロポロとこぼし始めた。
「見て！この写真。」
「……マネージャーだね。」
「ああ、藤堂さんですね。」
スマホをいじって写真を見せてきた康二。そこにいたのはマネージャーのAさん。みっちーも知っていたようだ。
でもなぜAさん？二階堂くんがこれ見たらすんごい目で睨まれそうだよ。
「そうなんやけど、それだけじゃないねん。」
「どういうこと？」
「これ撮ったの、照兄なんよ。」
「ひかるくん……？」
みっちーは不思議そうに名前を反芻した。オレはというと翔太が話していたことを思い出す。確か翔太もモヤモヤしてたな。康二もなんだね。
「だてーなんでそんなに笑ってるん？」
「いや、翔太も似たようなこと言ってたから。Aさんは人気だねぇ。」
「しょっぴー……そやった。ああ！しょっぴーとか強敵すぎん？」
どうやら翔太はライバルとして認定されたようだ。この分だと写真を撮ったひかるもライバル認定されているだろう。
「こーじくんはカメラうまいしめっちゃ優しいしかっこいいからいけますって！」
「みっちー……！ほんま優しいなぁ。泣けるわぁ。」
ああ。みっちーにもバレちゃってるね。そりゃそうか、あんなこと言ったら好きだってこと分かるよね。
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
