SN橙�� ページ17
sideむかい
今日はマイバースデー動画の撮影。
誰のかって？それはオレのや。今回はフィルムカメラでみんなパシャパシャ撮って、その写真を動画の最後にも使って欲しいなーなんて思ってん。
ほんでAさんにその相談したら食い気味に答えてくれた。
「めっちゃいいですね、やりましょう！」
「ほんま？言ったかいあったわー。」
「やっぱりこーじくんってセンスありますね。」
「あ、ありがとう。」
いきなり褒められてただ照れるしかできんかったのはちょっと悔しいなあ。
メンバー全員からお祝いの言葉をかけられて、そして被写体としてオレのフィルムカメラに姿を収めて。
やっぱみんなかっこええなぁ。決まってる。撮られ慣れてるしさすがアイドル！
「最後みんなで撮らせてー。」
「こーじも入ろうよー。写真は撮ってもらってさ。」
最後に集合写真を、と思ってメンバー全員をカメラの前に誘導したところでふっかさんが嬉しい提案。他のみんなもそうだよーって賛同してくれた。
ほんなら入らせてもらおっかな。
「はい私撮りまーす。」
「ならお願いします！」
Aさんがササッと出てきていつものようにオレからカメラを預かると、すぐにカメラを構えて。何度かオレのカメラを使ったことがあるからかだいぶ様になってるんよ。
Aさんの掛け声に合わせてポーズを取るとシャッター音が響いて。
「ありがとー！……そーだ、Aさんお礼に撮るで！」
「え、いいんですか？」
「もちろんよー。」
突然の思いつきなんやけど、オレもAさんのこと撮ってみたいやん？照兄が撮ったことあってオレがないってなんか悔しいしな。
マイバースデー動画を撮ったあと。いつものお店でフィルムカメラで撮った写真の現像をお願いして、データを家に持って帰る。
どないなってるかな、めっちゃ楽しみやわ。ウキウキしながらPCに記録媒体を突っ込んでフォルダを開いた。
「おお、ええやん。オレ天才ー。」
独り言言いながら次々写真を見ていく。そして今回現像した最後の写真。
「……やばいて。なんやねんこれ。」
そこにはカメラ目線で満面の笑みを浮かべるAさん。こんな瞬間を切り取れた自分を褒め称えたいわ。
それと同時に頭を過るあの曲の、あのフレーズ。
「ファインダーの向こう見せるその微笑みが 僕の目論見狂わせてく」
そのまんまやんか。口ずさみながら一人で頭を抱えて唸った。
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
