SN橙�� ページ20
sideいわもと
なんだろう、最近オレを見るときの康二の目つきが怖いときがある。「時がある」だから、毎回ではないんだけど。
なんでなのかなって気になって、目つきが怖いときのシチュエーションをメモしていくようにしたら、一つの結論に達した。
「ねぇ、最近さ康二の目付き鋭くない？」
「へ？そう？」
「いつもじゃないよ、オレがAさんと喋ってる時だけね。」
もしかしたら？なんて思って、阿部にもちょっと聞いてみたんだけど心当たりはなさそう。
「ああ、そう言われると。ひかるには、ね。」
いやあった。
しかも阿部の言い方からして阿部に対してはなく、オレだけみたいだ。
康二も分かりやすくて可愛いねぇなんて小悪魔のような笑みを浮かべる阿部。
そんな言い方されたら、康二がオレのことをどう思ってるのかなんて一発で分かる。
「ほら見て、分かりやすく見ちゃってる。」
「……分かりやす。」
「だよねぇ。本当かわいい。」
……なんか阿部の笑顔が怖くなってきた。本当に微笑ましく思ってるだけなんだろうけど、裏がありそうに見えてきて。
その疑念が伝わってしまったようで、取って食べたりとかしないよ？って頭をコテンとさせる阿部。
……なんだ、ただあざといだけじゃん。
康二が無意識のうちにAさんの方を見つめている。気付くメンバーは気付くだろう。
「康二の目つきがひかるに対して目付き鋭いところ、どうにかしたいなら敵じゃないことをアピールしないとね。」
「それは、そうだな……。」
「康二も無意識のうちにやってそうだから気に病むことはないよ。」
意図的にやってるとは思えないもんな、康二の場合。あれは絶対漏れちゃってるだけ。
そうと決まればさっさと伝えよう。無意識だろうけど、やっぱ温かい視線がほしいのは確かだから。
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
