SN緑�� ページ5
.
「ただいま、帰りました。」
「あは、なんか一緒に住んでるみたいだねぇ。」
出迎えてくれた阿部ちゃんはほろ酔いのようで、ニコニコしながらシラフでは言わないようなことを口に出す。
にぃに、舘様に比べたらお酒は強くないはずなので、大丈夫だろうかと思いつつ靴を脱いで所定の場所にバッグを置き。
「阿部ちゃん、大丈夫ですか？」
「え？何も問題ないよー？」
壁に寄りかかって立ったまま阿部ちゃんがこちらをずっと見ていたので、何か言わないと……！となって聞いてみたら、なんともふわふわした感じの返答。
問題ありそうだけどな、ちゃんと歩けるかな……。
「でも、眠いかも……。」
「え？え？」
問題あるじゃーん！なんかいきなり頭コテンってされたんだけど！私の肩！阿部ちゃんの頭！まじパニック。私酔ってないのに顔熱い！
真正面から来られたから、思わず阿部ちゃんの両二の腕ガッツリつかんだんだけど細いな……。
じゃなくて！
「阿部ちゃーん？」
「ちょっと待って……あとちょっと……。」
お酒の匂いと合わせて阿部ちゃん自身の匂いもして。好きだと自覚してる私としては嬉しいけどそれ以上にこんなことあってはならないと頭の中がパニック状態。
それに加えて。
「あの、阿部ちゃん？」
阿部ちゃんが私の背中に腕を回した。これ、抱きしめられてませんか……？身体の熱さは全く引かなくて、逆に体温上がっちゃってる気がする。
「Aー？」
ここでにぃにの声が聞こえてきた。私の声がしたのに一向に姿を現さないから気になったのかもしれない。
玄関に来られたら修羅場になっちゃうよね？これ！
早く阿部ちゃんと距離取らないと！でもどうしよ、ムズイんだけど……！
「……あれ、阿部ちゃんじゃん。」
「あはは、出迎えてもらったと思ったら寝ちゃって……。」
なんとか阿部ちゃんの腕の中から抜け出して、肩を組んで連れて行こうとしている風を装えた。にぃにがすぐにオレが運ぶと言って引き受けてくれて。
……絶対顔赤い。
にぃには特に気にしてなかったけど。重たいもの持ったから赤かったってことにしてくれたのかも。
顔を冷やすためにほっぺたに手を当てる。
「やっぱ早く異動希望出さないとな……。」
ついポロッと口から出てしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
