SN緑�� ページ6
sideあべ
二階堂くん……そしてAちゃんのお家での酒宴の翌日。
二階堂くんのご厚意で舘様も一緒に泊まらせてもらったんだけど、今思えばオレはなかなかのことをやらかしていた。
お酒に酔ってはいたけれど、何をしたかははっきりと覚えている。……そしてオレの行為が引き金になって起こりうるかもしれない未来のことも。
「舘様ー。オレだいぶやらかしたかも……。」
「やらかしたって、昨日のこと？」
「うん。……Aさんが異動希望出すかもしれないんだ、オレのせいで。」
「え？異動希望？」
とある番組の楽屋。隅っこで舘様に昨日のことを相談することにした。あまりにも大きな爆弾、一人で抱えきれなかったから。
異動希望を出す。それはオレらのマネージャーという職に思うところがあるという意味。
そしてあのタイミングで「やっぱ」をつけたと言うことは、少なくともオレにも原因があるってことで。酔ってたけどそこは聞き逃さなかった。
「阿部のせいではないんじゃない？……Aさんの年数的にそろそろ異動してもおかしくない気がするし。」
「……ああそっか。オレのせいじゃないにしても異動はやだよー。」
「そこは同感だけれども。」
秘密を共有してるからかな、舘様には自分の弱い部分をさらけ出せる。背中ぽんぽん叩いてくれて優しいなぁ。うるっとくるじゃん。
「阿部ちゃん、大丈夫ですか？」
「へっ？だ、大丈夫だよ、舘様が優しくて感動しただけで！」
と、オレの様子が気になったらしいAちゃんが話しかけてくれた。
さっきまでひかると打ち合わせしてたように見えたから、まさかここに来るとは思わず、第一声は気が抜けた変な声になっちゃった。
「あのさ、1個聞いていい？」
「どうぞ。」
「他の部署に移る予定ってある？」
舘様が何を聞くかと思えばストレートにそれ。小声で回りに聞こえないように配慮しているけど、聞こえたオレはちょっと落ち着かなくて。Aちゃんはと言うと少し固まった。
「……そう、ですね。そろそろ上から言われるかもと思ってて。そのタイミングよりは自分で決めたいかなって思ったり。」
「ずっとって訳にはいかないか。」
「例外もあるらしいんですけどね、私には適用されないと思うんで……。」
オレのせいというのはちょっと入ってるかもしれないけど、そもそもがそういう時期なのか。
仕事を理由にできなくなる時が近い、どうするの、オレ……。
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作者名：みどりの | 作成日時：2023年5月30日 5時
