◉サプライズ ページ22
◇◇◇
今日は雑誌の撮影日。
スタッフ「雪加さん入られます。」
「「「お願いします〜」」」
スタッフさんに挨拶をしながらスタジオに入ってカメラの前に立つ。
スタッフ「では早速始めさせていただきます。」
「お願いします。」
スタッフさんのオーダーに合わせてポーズを取っていく。
パターンを変えながら撮り進めること数十分。
カメラ「ラスト〜」
そう言いながらカメラマンさんがシャッターを切った瞬間…
パーンッ！
後ろから乾いた音がして頭の上に銀テープが降ってきた。
「え？」
音のした方を向くと蓮くんが立っている。
「なんで？」
目黒「おめでとう〜！」
カメラを持ったスタッフさんがこっちに近寄ってくる。
「え、ドッキリ？」
ドッキリなら康二くんが来そうなのにどうして蓮くん？それに、おめでとうって言ったよね？
頭の中でぐるぐると考え出す。
スタッフ「夏ドラマのヒロインに雪加さんが選ばれました。」
「え？」
蓮くんが主演を務める予定のあのドラマ？
「月…9…？」
目黒「A、おめでとう！これからよろしく！」
そう言って出された手に、とりあえず自分の手を重ねる。
「…本当に？」
目黒「本当だよ。」
「信じられない…」
私が月9に出るなんて…
目黒「一緒に頑張ろうな。」
「…お願いします。」
まだ実感がないけど、選んで頂いたからには蓮くんと一緒にいいドラマにしないと。
スタッフ「一言頂けますか？」
メイキング用のカメラマンさんが再度近づいてきて言う。
「正直、まだ実感がわかないですが、見てくださる方々に楽しんでいただけるように頑張ります。」
まだドラマの詳細も見ていない。簡単なコメントで申し訳ないなと思いながらもそう答えた。
「あの…今日の撮影って…」
このサプライズのためのニセの撮影だったってこと？
スタッフ「あ、さっきのはビジュアル撮影です。」
「え！？」
さっきのがまさかのビジュアル撮影で驚く。
「全然、役に入りきれてない…」
目黒「大丈夫。当て書きらしいから。そのままで大丈夫。」
2人でのビジュアル撮影も今後行うそうで、そのときにはもう少し方向性が固まっているだろうとのこと。
「これからよろしくお願いします。」
蓮くんと冬賀さんと3人でドラマのスタッフさんたちに挨拶をしてその日の撮影は終わりを迎えた。
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作者名：雪 | 作成日時：2024年4月15日 7時
