甘えて × 紫 ページ41
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深澤｢A〜、帰らないの〜？｣
『ブログ書いてから帰るー！』
深澤｢そっかあ｣
お仕事終わり、家に帰る前にブログを書いてマネージャーさんに確認までしてもらおうと思い指を走らせる。楽屋のドアから完全に帰る準備が整っているふっかが顔をのぞかせていた。まだ終わりそうにないのでおつかれ〜と言ったのだが、ふっかはスタスタと私の隣にきて座った。
『帰らないの？』
深澤｢一緒に帰るでしょ｣
『もうちょっとかかるよ？』
深澤｢待ってる｣
そう言って私の服の紐をいじり始めた。そのままにしていると顔を近づけてきてスマホを覗かれる。
深澤｢俺のこと書いてる？｣
『書いてないよ』
深澤｢なんでよ｣
『もうほぼ書き終わったもん』
深澤｢えー｣
いつもに増してゆったりとした喋り方に違和感を感じ、目を合わせる。案の定疲れている表情。
『ふっか、お疲れ？』
深澤｢んー、ちょっと。てか眠い。｣
『早く帰ればよかったのに｣
深澤｢疲れてるからAと一緒にいたいのよ｣
私で疲れが取れるのかは謎だが、期待に応えてあげようとスマホを置く。
『ふっか』
深澤｢んー？｣
『よしよし』
深澤｢ふっ笑 なぁに、癒してくれるの？｣
『せっかくならなんかしてあげようと思って』
深澤｢ありがとね｣
『元気出た？』
深澤｢うん、めちゃくちゃ｣
試しに頭を撫でてあげると、思いのほか喜んでくれたふっか。
深澤｢Aも疲れた？｣
『私？朝からお仕事だったからねえ、ちょっと眠い』
深澤｢じゃあおいで｣
『ちょ…、強制じゃん』
深澤｢よしよし｣
『…』
深澤｢ほんとかわいいねえ｣
強制的に腰に手を回され抱きしめられる。思ってた以上に自分も疲れていたのがポンポンと頭を撫でられて安心する。そんな様子の私にふっかは少しだけ笑った。
深澤｢Aはもうちょっと甘えてきてもいいんだよ？｣
『…もう甘えすぎてるよ』
深澤｢いーや全然だね｣
『そうかなあ…』
深澤｢もっと甘えて、俺だけに｣
そう言ってふっかは立ち上がり、机の上にあったスマホを回収していく。
『あ！ねえ、ブログまだ書いてない！』
深澤｢車でもかけるでしょ、マネージャー呼んでるから帰るよ〜、んで早く寝る！｣
『まって、』
そう言って私の荷物を持って楽屋の外へと向かっていった。
もう彼がいない生活が考えられないくらい甘えてしまっているのに。調子に乗りそうだから言葉にはしないけど。
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作者名：みるる
| 作成日時：2024年4月8日 2時
