風磨の彼女は手に負えない。2

・　Me.side ページ5

風磨くんと付き合うことになり、
“家に来る？”と聞かれて
Yesと答えてしまった私。



舞い上がりすぎてる。

間違いなく。

ダメダメ。


一旦家に帰り泊まる用具を全てトートバッグに詰めながら
自己嫌悪に落ちる。


『はぁ…緊張するよぉ…。』


泊まるってそういうことだよね…？

そういう決心をしていかなきゃ。




なんせ“初めて”の私。

ここまで人を好きになったのも恐らく初めて。

それがまさかの風磨くんなんて。

アイドルなんて。



とりあえず用意は完了。

気持ちを落ち着かせて風磨くんの待つ車へ向かう。



風磨くんの家に着いた途端、
私からバッグを取り上げる風磨くん。


「俺、彼氏っしょ？」

なんていうもんだから心臓がドキドキうるさい。


でも冷静になれ、私。


そう自分に言い聞かせて風磨くんから再度
自分のトートバッグを取り上げる。


『フ、ファンの人が見てたらどうするの。
それに週刊誌だって…。』


そうだ。
世間に対して最低限のマナーは必須。


風磨くんはきっとそれをわかってくれてる。

なんせ年齢だけじゃなく、
芸能界でも私より大先輩。


風磨くんのファンの人たちに対する気持ちや
行動も好きになった理由の一つ。


私だけが浮かれてるようじゃ、
この先ダメになる。


そう思って私は気合いを入れ直した。

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