こんな俺らでも。2

年末年始の男たち。3 ページ6

・

黒side


ふっかさんが元気ない。

幻肢痛の時みたいに。

でも、今回は幻肢痛で寝れてないわけじゃなさそう。

いびき聞こえるもん。

なんだろう。



最近俺調子いいんだよね。

発作も全然起きない。

お薬、ちゃんと合ってるのかも。



俺の話は置いといて

黒「ふっかさーん」

紫「んー？」

スマホいじってるふっかさんに声をかけてみた。

黒「どうしたの？」

紫「え？どうしたのって？」

黒「元気ない。」

紫「…そんなことないよ〜

めめは最近調子よさそうじゃん。」

あ、話しそらした。

黒「うん、俺はね。

でもふっかさん元気じゃなさそう。」

紫「…そんなこ」

黒「そんなことある！

俺、ふっかさんが元気ないと心配なの。

ふっかさんが俺のこと心配してるのと一緒！

それにふっかさん居ないと俺なんも出来ないから！！」

…強く言いすぎたかな、、

すると、カチャッカチャッとふっかさんが近づいてくる音が聞こえてきた。

顔を上げると、目にいっぱいの涙を溜めているふっかさんがいた。


紫「めめにはお見通しだね…

ごめんね、心配かけて。ちゃんと話すね。」


そう言って手を引かれてソファに座らされた。

紫「俺ってさー、見た目がもう人と違うじゃん？

サイボーグみたいな足つけてさ。

歩き方もぎこちないし、

普通の人が歩いてるときには聞こえないような金属音するしさ。

この前ショッピングモール行って

子供に何あれって指さされた時、

なんか痛感しちゃって。

なんで今更真に受けてんのか自分でもよく分かんないんだ。」

そっか、そうだったんだ。

義足なんて気にしてないよ〜って

ヘラヘラして気にしていないように見えて

実際は心の底にナイーブな気持ちが残ってて

辛い思いしてたんだ。


黒「ごめんね、ふっかさん。

ふっかさんの気持ちわかってあげれなくて。」

紫「めめが謝ることじゃないでしょ？

俺だってめめの辛さはわかんない。」

黒「うん、、ふっかさん。話してくれてありがとう。」

紫「こちらこそ話聞いてくれてありがとね。

なーんか、めめに話したらすっきりしたわ！

ねぇ、ゲームしよ。」

黒「する！」


よかった、ふっかさん元気になった！

年末年始の男たち。4→←年末年始の男たち。2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す